響きもの

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クリスタルボウル と言われる水晶楽器に魅せられ、2005年から奏で始める。主宰サロン、幼稚園から大学などの教育機関、企業研修での体験型講義を通じて響きの可能性を探求。サントリーホール30周年記念事業フロンティア・プロジェクト選出作品|国内屈指のアンビエント音楽フェス Off-Tone等、イベントや舞台、奉納、瞑想会に多数出演。
 

PROFILE

紹介文

響きものとして生きる人

山本コヲジは、クリスタルボウル、音叉、ゴングの響きを通して、人が「自分に還るための時間」をひらいてきた“響きもの”である。
 
演奏とは、何かを見せることではなく、
何かを起こそうとすることでもない。
 
ただ、
響きが濁らずに通り抜けていくための
「状態」を整えること。
 
それが、彼の仕事である。
 
1976年東京生まれ。
28歳で悪性疾患を経験し、生と死の境界に立ったことをきっかけに、「人はなぜ生きるのか」という問いを抱くようになる。やがてその探究は“音”へと向かっていった。
 
2005年よりクリスタルボウルの演奏を開始。
以来20年以上、倍音と沈黙のあいだに生まれる微細な響きを通して、安心と静けさの場を各地につくり続けている。
 
彼の演奏には、「うまさ」や「派手さ」はほとんど前面に出ない。
代わりにあるのは、澄んだ空間と、深い余白である。
 
そこでは、聴く人が評価する代わりに、
自分自身と向き合うことになる。
 
山本コヲジ自身は、その“鏡”を磨く人だ。
 
「いい演奏をしよう」とする我を脇に置き、
その日の身体、その日の呼吸、その日の心を整える。
器が本来もっている一音が、もっとも自然に立ち上がる状態をつくる。
 
その姿勢が「響きもの」なのだろう。
 
それは、個人を消すためではない。
個を主張しすぎないための、選択である。
 
響きは、やがて消える。
演奏も、記録には残さない。
 
それでも彼は、消えていくものを選び続ける。
なぜなら、
人が自分に戻った瞬間だけが、
本当に残るものだと知っているからだ。
 
山本コヲジは、今日もまた、
誰かの内側が澄むための条件を、
静かに整えている。
 
それが、
「響きもの」として生きる、ということなのだ。

 

 

響いているのは、いのちです。

ABOUT

「もの」について

「もの」の かたち

「響きもの」の「もの」は、
“物を所有する”という意味のモノではありません。
 
それは、
「勿体(もったい)」に通じる“物”。
 
──物のあるべき姿。
──本来そこに宿っている価値。
──まだ言葉になる前の、本質。
 
目には見えないけれど、
たしかに、そこに在るもの。
 
私にとっての「もの」とは、
そうした“存在の気配”そのものです。
 
また、「物の怪」の〈物〉にも、
同じ文字が使われています。
 
物の怪とは、
恐ろしいものではなく、
本来は「説明しきれない存在」のこと。
 
見えない。
触れない。
けれど、消えない。
 
人の感情や記憶、場の空気、
時間の重なり。
 
それらもまた、
ひとつの「もの」なのです。

なんのために

人は、誰もが
“物質としての身体”を持っています。
 
けれど同時に、
記憶や想い、感情や祈りという
「見えない存在」でも生きています。
 
響きものとは、
その“見えない部分”に、
そっと触れる存在。
 
治すためでもなく、
変えるためでもなく、
 
思い出すために。
 
自分自身に還るために。
 

山本コヲジ